診療科・部門紹介Clinic department introduction

看護部

看護部 部長あいさつ

南草津病院は、滋賀県草津市にある137床の回復期リハビリ中心の病院です。草津市は人口13万人で、高齢化が進む一方、人口流入が著しく、子育て世代も多いため、全世代に対応できる医療、介護、福祉、教育が求められています。当院関連グループは“よつばライフケアネットワーク”として、医療は当院、そして22の介護系施設を有しており、湖南地域の“地域包括ケアシステム”を担う大切な役割を果たしています。
当院は急性期医療を終了した患者さんが、リハビリに重点をおき、在宅復帰を目指す回復期リハビリ病棟と医療を継続する高齢者対象の医療療養病棟を有しています。

リハビリ看護は、機能改善や在宅復帰を目的とした患者さんが対象のため、個別性を理解することが重要です。患者さんの障害状況、家族背景、理解度を十分確認し、寄り添い励ましながらチーム医療を展開していくことが大きな成果につながります。医療療養病棟は、人生の最終段階におられる患者さんも多く、患者さん、ご家族の人生の物語に寄り添い、心温まる看護を目指しています。

当院看護部は、患者さんやご家族に満足していただけるように、真摯な姿勢で向き合い、一人ひとりの患者さんとの思い出が語れる関わりを心がけています。そして、また患者さんやご家族さまにとって、心に残り思い出が語れる看護を提供してくれた病院、病棟、看護師として覚えていただけるような看護を目指しています。

私たちの看護
~思い出の相互関係が築ける看護~
①自ら考え、行動でき、信頼を得る看護の提供
②患者さんの心に寄り添う、心温まる看護の提供
看護部基本方針:
みなくさナーシング
:自らが自信をもって「安全・安心」と言える、信頼される看護・介護を実践します。
:仲間とともに連携を重視した医療・看護を実践し、成長できる組織を目指します。
:工夫・発想・行動できる主体性を持ち、魅力ある職場づくりと自己実現を目指します。
:支え・寄り添い・心温まる看護・介護を実践します。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリ
テーション病棟

(3階 42床/4階 35床)

入院患者さんの1日の流れ

患者さんの笑顔が、私たち看護師の「やりがい」です!

回復期リハビリテーション病棟の看護は、たとえ障害が残存していても出来る限りの生活行動能力を取り戻し、その方にとって新たな生活を再構築するための専門的なアプローチです。

入院される患者さんの中には、身体に障害が残った現状を受け止めきれない方や、認知症により入院生活そのものの意味が解らず、大きな不安を抱えた状態の方がおられます。
そのため“リハビリテーション看護”には、身体機能面だけではなく内面へのアプローチも重要になります。

私たちの目指す“リハビリテーション看護”とは、患者さんが日常生活を自立することを目標に、入院中の生活リズムを整え、環境調整や体調管理を行い、患者さんの気持ちに寄り添い、患者さん自身が持つ力を最大限に発揮できるようサポートすることです。
そしてリハビリテーション治療でできるようになれたことを食事、着替え、洗面、入浴、排泄などの日常生活動作場面で活かしていきます。

その中で、個々の患者さんによって“動作の難しい部分をどのように動かしてもらえば日常生活の自立につながるのか?”を看護の視点だけでなく、リハビリテーションスタッフと共に考え支援していきます

このように、患者さんの生活に寄り添いながら他職種と“ONEチームになって”協力し、日常生活動作能力の向上を専門的に支援する、≪それが私たちの目指す“リハビリテーション看護”です。≫

■リハビリ患者さんの入院から退院までの流れ

  • 入院事前面談

    入院される前に、医療相談員が家族の方とお会いして、入院案内の説明をさせてもらいます。また家族の方から、患者さんの身体状況や生活状況、要望などをお聞きすることで、入院される前からチーム全体で情報共有します。

  • 合同初期評価

    入院当日に、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアワーカーが合同で身体状況、日常生活動作などを評価し、リハビリの方針や病院でのケア方針を検討し、安全な入院生活を送れるための環境設定をします。

  • リハビリテーションの実施

    1日最大3時間のリハビリを受けることが可能です。またリハビリ室だけではなく、病棟での訓練やレクリエーションなど生活リハビリも実施していきます。

  • カンファレンスの実施

    ■定期カンファレンス

    毎月1回、主治医、医療相談員、担当看護師、担当セラピスト、管理栄養士、薬剤師が集まりリハビリの進行状況、病棟での生活状況、今後の目標について話し合います。

    ■チームカンファレンス

    毎月1回、主治医と医療相談員、担当看護師、担当セラピストが集まりリハビリの進行状況、病棟での生活状況、今後の目標について話し合います。

    ■ケア(合同)カンファレンス

    入院中や、退院前には、担当ケアマネジャー、デイサービスの担当者など、在宅生活をサポートする方に参加して頂き、患者さんや家族の方と共に、自宅復帰後の生活について話し合います。

  • 退院前訪問指導の実施

    担当セラピストが自宅に訪問をさせていただき、手すりや福祉用具の検討など、自宅で安全に生活できるための環境設定を行います。最大で2回の自宅訪問を実施します。

  • 外泊訓練の実施

    退院に向けて、手すりや福祉用具など在宅で生活できる環境が整えば、入院中に外泊訓練を行います。外泊を通して、外泊中に困った点や苦労した点を整理し、問題点を明確にしたうえで、最終的なチームアプローチを実施しスムースな在宅復帰を目指します。

  • 退院に向けての準備・支援

    入院中に、退院に向けて、医療相談員が随時相談を行います。介護保険の認定手続きやケアマネジャーとの調整等を行い、スムースに退院ができるように準備、調整を行っていきます。

医療療養型病棟

医療療養型病棟

(2階 60床)

医療療養病棟は、急性期医療を終えても、引き続き医療提供の必要度が高く、病院での療養が継続的に必要な方を対象にご入院いただく病棟です。

このような方に対し、厚生労働省が定めた規定に従い、医療の必要度に応じた医療区分、また日常生活自立度の視点から考えられたADL区分による包括評価をする事となっており、医療療養病棟は主に医療区分2と3という、医療必要度の高い方を担当する事が期待されている病棟です。

区分1の方に関しては、介護療養病棟や老人保健施設などの介護施設が担当する傾向にあります。

当院の療養病棟は医療療養病棟で、医療提供が必要な医療区分2・3の方を主に対象としており、急性期病院での治療を完了した方で、ご本人、ご家族共に自宅療養を行うのに不安を抱えていらっしゃる方に対して、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士などが、チームを組んでお世話しています。

当病棟では、入院された方が、そのセルフケア能力を最大限に生かし、それぞれの世代の文化や価値観を重視した、自分らしい生活の再構築が出来るよう、生活機能の維持・拡大を主眼とした医療を行うように努力しています。

療養病棟は、ご入院中の方との関わりが多く、状態をもっとも把握している看護師の担う役割が大きい職場です。

療養病棟に入院される方は、疾患や認知症状の影響で意思疎通がうまく出来ず、苦しい時も言葉で伝えられない方が少なくありません。そのため看護師は、専門的な知識と観察力をフルに働かせ、変化を見逃さないように状態を把握する事が求められます。そして、それに応じた看護ケアを立案、実施する事、急変を事前に察知したり、時には医師への適切なアドバイスをすることが求められます。このような関わりを通して、患者さんや御家族との信頼関係を築く事が出来る事が療養病棟で働くやりがいになっています。

高度な医療行為に興味がある方や、手技を多く身につけたい方には少々物足りないと感じる職場であるかもしれませんが、日々の生活ケアにやりがいを感じる方であれば楽しく働ける職場だと思います。また、ワークライフバランスを考え、残業を減らすための業務改善などに積極的に取り組んでいます。